今回の記事では、今、注目して欲しい、2024年1月13日に台湾で行われる総統選のことについてお伝えします。
私の書く台湾に関する記事は、中立ではなく、民進党寄りですので、お気をつけて下さい。
【迫る台湾総統選2024】台湾総統選の焦点「対中姿勢」柯隆×矢板明夫×山口信治 2023/12/7放送<前編>
出馬している候補者は3名。
現副総統の頼清徳(らいせいとく)氏(与党・民主進歩党)
現新北市長の侯友宜(こうゆうぎ)氏(最大野党・中国国民党)
前台北市長の柯文哲(かぶんてつ 通称かぴー)氏(野党第2党・台湾民衆党)
不透明感強まる台湾総統選挙
名前だけ見ても全然わからないと思うけど、簡単に政党の説明をすると
民進党(民主進歩党)は、反中国
国民党(中国国民党)は、親中
民衆党(台湾民衆党)は、ほら吹き
という感じでです。
台湾の国会は1院制であり、総統選と同時に全議員の選挙が行われます。
議員数は113人。
小選挙区で 73 議席、比例代表で 34 議席、先住民の6議席が加わって113議席です。
https://www.gender.go.jp/research/kenkyu/pdf/gaikou_research/2020/13.pdf
現在の構成はこのような感じ
立法院 (中華民国) - Wikipedia
ちなみに台湾の人口は2326万人。
日本は1億2500万人 約1/5
日本の国会議員数は
衆議院465人 参議院248人 計713人 約1/6
台湾の選挙権は20歳からです。
現在の総統は民進党の蔡英文。
民進党議員が過半数います。
民進党は左側、リベラルな考え方をする政党です。
中国に対しては時々牽制しつつ、「現状維持」を掲げながら戦略的に戦っている印象を持っています。
8年間総統を務めたわけですが、ここで、蔡英文が何をしてきたのか、少し例を挙げます。
・2017年公務員退職金関連法改正(施行は2018年)
台湾の公務員の年金はやたら良かったようです。
公務員の退職金の優遇に関しては、公職の政治家達が過去に敷いた、自分達だけに有利な法案であり、既得権益に他ならないものであったと思います。
改正することによって、国会議員達の年金も減るわけですが、利益にとらわれず、少しでも改善しようという意志が伝わります。
https://jp.rti.org.tw/news/view/id/70363
・2019年同性婚の合法化
日本のメディアにも大きく取り上げられていたのでご存じの方も多いと思います。
台湾、特に台北に行くと、日本以上にわかりやすく同性カップルなどを見かけることがあります。
夫の友人にも何人かLGBTQの人がおり、私に対しても隠すことなく、教えてくれました。
台湾が民主的であり、いかに先進的な思想を持っているかがわかる出来事であったと思います。
台湾、同性婚認める法案を可決 アジア初 - BBCニュース
・半導体工場 中国から撤退
半導体会社TSMCの熊本での工場建設を知っている方も多いかと思います。
また、PSMCが宮城県に工場を設立することも発表されています。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2023/11/843b3d9d48573bee.html
さらに大阪にもTSMCの工場を誘致する可能性があることも報道されています。
TSMCの日本における第3工場建設地が大阪になる可能性が浮上、台湾メディア報道 | TECH+(テックプラス)
他、各半導体企業が、生産拠点を中国以外の国に移しています。
これは、台湾だけに限らず、アメリカも行っていることで、中国政府への半導体技術の流出防止という観点からも進められている政策でしょう。
民進党が政権を取ったからこそ、着実に進められており、国内の半導体技術が守られることで、台湾の国防にも一役を担っているというわけです。
台湾の半導体の現状についてのスライド
https://www.pref.kanagawa.jp/documents/107400/taipei.pdf
ここまで、民進党の良いところばかりを挙げてみました。
さらに、他党のネガティブキャンペーンも進めていこうと思います。
国民党はわかりやすく親中なので、説明は特にしないです。
第2野党・民衆党の柯文哲について書きます。
彼は、台北市長を2期勤めています。
2014年、1期目に当選した時は、台湾国内で期待の声が高まり、とても人気でした。
当時は、民進党の支援の元、当選しました。
今回の総統選では、一時期、国民党と連立政権を組む(サインまでしていた)と言われていましたが、結局、破綻しました。
約10年で、民進党から国民党への鞍変え。
政治家未経験だったから、理念が定まってなかった。
今の理念こそが柯氏が見つけた答えなのだ。という見方もできると思います。
あくまで民進党と国民党の間にいる立場をとり、「自分だったら中国と対等に話し合える」自信を持っているのかもしれないです。
ただ、私は、「政治的理念の定まってない、私利私欲が強い人である」という印象を持っています。
以下記事は、柯氏の良いところが書かれているので、もし興味があればgoogle 翻訳で読んでみてください。
台灣2024總統大選:誰在支持「批判者」柯文哲 - BBC News 中文
台湾の選挙は、国外から投票できないようです。
そもそも日本に国家として認められていないので大使館がないという理由もありますが(代わりに、台北駐日経済文化代表処というものがある)
ネット投票などにすると、操作される可能性があるからだそうです。
おそらく総統は民進党の頼氏になると思いますが、議員数が過半数を超えるのか、不安ではあります。
不在者投票も期日前投票もなし。それでも投票率7割超え。国民が大移動する台湾総統選の1日はこんなに熱い!(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
気になるのは投票率。
2020年中華民国総統選挙 - Wikipedia
高いですな。
台湾の議員たちは、非常に若くて優秀で、様々な背景を持っている人たちが多いです。
LGBTQの人もいれば、元バンドマン(メタル)などもいます。
女性議員は40%超。
日本と比較すると勉強になりますね。
今後も色々と情報収集しようと思います。
追記 結果
総統 民進党 頼氏
投票率71.86
議員数以下